恐怖や悲しみを取り除き、安泰をもたらす女性の明王
孔雀明王はその名の通り孔雀の神と考えられますが、インドでは孔雀は蛇の天敵とされており、諸々の毒を取り除く神として崇められていました。 また、女性のような優しいお顔をしているので、仏母大孔雀明王・孔雀王母菩薩とも言われています。
御真言
オン マユラ キランデイ ソワカ
弘法大師空海も守り本尊とした「孔雀明王」
もともとインドでは孔雀は害虫やコブラなどの毒蛇を食してくれる守護的存在であるために、一切の諸毒から護ってくれる力があると信じられてきました。
「人々の災難や苦痛を取り除く功徳」があるとされ信仰の対象となった孔雀明王は、後年になると「毒を持つ生物を食べる=人間の煩悩を喰らって仏道に成就せしめる功徳がある仏」という解釈が一般的になりました。その力を神格化したのが孔雀明王です。
その手に持たれている蓮華は敬愛・倶縁果は気力を増す事から増益・吉祥果は降伏・孔雀尾は息災を表しています。
我が国では奈良時代の頃より信仰され、雨乞いや厄除けの祈祷の折、御本尊としてお祀りされ、弘法大師空海も守り本尊として拝まれていた大変ご利益のある仏様です。